社内SE

DXってなに?

ちょっと今更感はありますが、
DXの定義について、改めて知る機会があったので
書いておこうと思います。

私はITの世界に生きて20年ぐらいになりますが、
敢えて積極的にIT用語を取り入れるようなことはしてきませんでした。

理由はいくつかあるんですが、
一つ目は、ユーザーやお客さんとお話をするときに、
ITの専門用語は障壁にはなってもコミュニケーションの糧にはならないからです。

メリットがあるとしたら、相手を煙に巻く、もしくは「凄そう・・・・」と思わせる
という所ぐらいで基本的には胡散臭さを増すことが多く、仕事の役に立たないことが多いです。

それよりもユーザー側の専門用語を知る方が10倍大事で
今までの部下にも

IT用語なんかより、お客さんの業界用語を覚えなさい

といってきました。

二つ目はITの世界は時代の移り変わりが早く
泡沫的に流行り言葉が出てきて、いつの間にか消える
ということが多く、その中には
呼び方を変えただけで中身一緒
みたいな用語も多いので、捨て置いている
という事もあります。

当初、DXもそういった泡沫的な用語の一つだと認識していましたが
今やどこのシーンでもDX、DXと叫ばれており、
ある程度、市民権を得てきたので改めてちゃんと捉えることにしました。

東芝 粉飾の原点
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さて、そもそもDXって何?っていう所なんですが
これとよく一緒くたにされるのがIT(デジタル)化です。

DXも大きな枠で言うと
IT(デジタル)化に含まれるかなと思うのですが、
ちゃんと整理すると、向いている方向というか見ているところが違います。

DXというのはITを使って売り上げを伸ばす事を言います。
一方、IT化とかデジタル化というのは今ある業務をIT(デジタル)に置きなおし、省力化することを言います。

なので、

うちは紙帳票を全部電子化しました!

というのはIT(デジタル)化であってDXではないですが、
一方で

マーケテイングにSNS分析を導入し、売り上げを前年比120%にしました!

とかはDXです。

なので、「うちもDXしましょう!」
というのは通訳すると「うちもITを使って売り上げ拡大しましょう!」です。
別にSNSを使っているからDXとか、新しい技術を使っているからDX
とかの仕切りではないということもポイントです。

さて、ここからは蛇足になってしまいますが
私がIT用語を嫌いな理由でもあるので、少し追記しておきます。

ここまででDXとIT化の違いは分かってもらえたと思いますが、
気を付けたいのは、同じ「紙媒体を電子化する」でも
それが省力化であればIT化だし、その会社にとって売り上げ拡大につながるのであればDXということになります。

なので極端な話
「御社にもDXを!」と言いながら、やってきたシステム会社が
その実、やってるのは帳票電子化だったとしても
その会社が「いやいや、紙がなくなって経費が削減されて結果利益が増えているのだからDXです。」
などというと、「ん?そうなのか?」みたいになってしまう事があるという事です。
しかし、利益は増えたかもしれませんが、売り上げは何も拡大していないので
やはりDXではありません。

勿論、別にIT化できればよくて、それをDXと呼ぼうとIT化と呼ぼうとどっちでもいいという会社も多いと思うので実害はないかもしれませんが
DXという名目の元、ただの帳票電子化なのに、
必要以上に高い工賃を支払う羽目になっていることもあるかもしれないので
注意するに越したことはありません。

とまぁ、こういうようなことがあるので、
やっぱり個人的にはIT用語は好きになれません。
もっとわかりやすい言葉で発信してくれないかなぁと常々思ってしまいます。