タイトルの話をする前に
もし、自社のIT部門が問題解決に動けていないのであれば
育成を間違えているので、抜本的に考え直した方がいいと思います。
抜本的に考えるというのは、
IT部門が頼りにならないから、外に答えを見出そうとする
のではなく、
という意味です。
そしてもし、現時点でIT部門が力不足だったとしても、外の世界に答えはありません。
例えば、コンサルに解決してもらおうと思ってもあまり意味がありません。
経験のある方も多いかと思いますが
こういった種類の問題をコンサルに解決を求めても以下のような問答になるケースが多いのが実態です。
偉い人
コンサル
偉い人
コンサル
偉い人
作業を標準化して、属人化を防ぎ、二度とこういう事態にならないような体制にする
という根本的な対応については、正直誰でもわかっていて
難しいのは、
ということなのですが
ここにアプローチする為には、「なぜ属人化してしまっているのか?」という問題の真の原因を探らなければならず、現場にヒアリングするだけでは簡単に答えを導き出せないことが多いです。
現場では「その作業の難易度自体が高くて、熟練者だけしかそれをこなせず、その熟練者自体を何人も育てることが現実的ではないから、結果的に属人化してしまう。」という事を言っていたとしても、その作業を難解にしている本当の理由は、別にあったりします。(例えば工場内の動線の問題とか)
こういった類のものは自社における経験と、細かいヒアリングを行えるだけの人間関係の構築など、いろいろなものがあってようやくたどり着けたりするものだったりするので、解決策どころか、本当の原因にたどり着くことも困難であることが多く、外部の人間では表面的な部分にしかアプローチできずに終わるという事が大半です。
しかし、極稀に、有能かつ親切なコンサルやSierが本当に問題を解決してしまう場合があります。
そして、今回の記事のテーマとしてはこちらの方がメインになります。
この「外部の人間が解決してしまう」が起きてしまうと、
という事が起きてしまいます。
それの何が悪いかというと、
会社にある問題というのはそれ単体であるということは少なく、
・いくつもある問題の一つが顕在化した。
もしくは
・会社の体制に問題があり、それが形として現れた。
というものが大半です。よって、一つの課題の本当の原因というのはほかの課題の原因でもあり、その解決策というのはほかの課題の解決策にもなり得ます。
もし、その問題の解決を図ったのが社内SEだったら
とか
とかに至ります。
しかし、これが外部の人間だとすると
となってしまうわけです。
これがこの記事のポイントです。
他社の人間が自社の問題を解決してしまうと、そこに関係するノウハウや自社の仕組み的、制度的な問題点が他社にしかわからない状態になってしまう
これも結局、それぞれの立場の違いという話につながるのですが
この問題に気付かず、
偉い人
みたいな事になったら、大問題です。
意識しないまま、お金が外部にどんどん出ていきますし、
自分たちの問題を自分たちで解決できなくなってしまうので、何か困りごとがあると、そこに頼らざるを得なくなり、どんなにお金がなくても、他社を呼ぶ以外に解決することができない状態になってしまいます。
そもそも、その状態にたどり着く前に
経営陣が自分たちではなく、外部の人間を頼りにしている
とわかるとIT部門自体のモチベーションも低下しますし、人材の離脱が始まってしまうかもしれません。
経営陣も外部の人間を頼るのも最初はいいかもしれませんが
そのうち気が付くはずです。
と。
外部の人間に問題解決をゆだねるというのは
難解な数学の問題の答えだけ教えてもらうことに酷似しています。
教えてもらった解答を解答欄に書けば、そのテストだけはしのげますが
次のテストの時には、また問題の答えを教えてくれる人を探して回らないといけません。
そんな不毛なことをするのが嫌なのであれば、時間も手間もかかるかもしれませんが
自分たちでその問題を解く必要があります。
そして、その問題を解くための専門家をちゃんと育てないといけないという事です。