私が転職してまず着手したのは
メンバーのやっている作業を一緒にやる
でしたが、この作業自体もそう簡単ではありませんでした。
メンバーがやっている作業を一言でいうと
でした。
ただ、そもそもシステム配置が複雑怪奇になっている上、知識の属人化が起きている為、
起きているエラーが対処を必要とするものかどうかの判断がつかない
業務上どうしても起きてしまう事象で、放っておいても翌日には是正されるetc
エラーの対処をするべき環境が、他システムなのか、自システムなのか判断がつかない
受け入れる側の問題で起きているエラーなのか、発生源システムで起きているエラーなのか判別できていない
他システム起因のエラーだとして、誰に聞けばいいのかよくわからない
という状況でした。
更にそれに加え、プロジェクトの進捗を遅らせない為にリーダーは目の前のタスクをこなすことに夢中になってしまい、メンバーのコミュニケーションは取れておらず、メンバーも
「忙しそうなリーダーには、なんだか質問するのも憚られる・・・」
という状況が発生していました。
コミュニケーション不全に陥っていた。という状況です。
※今回のリーダーのように作業者として優秀で、かつ自分がハイスペックであることを自覚していない人にありがちなのですが、自分が特別な事をしている自覚がないため
「自分にだってできるんだからみんなできるでしょ?」
という思いで動いてしまうことにより、発生しがちな状況です。
リーダーからするとそんなに難しいことをしているつもりはないので、
すべてのノウハウを口伝で伝えようとし、
簡易なドキュメントにもしないので、メンバーは一回聞いたことを一回で理解しないといけません。
これは普通の人にとってはそう簡単なことではありません。
結果的に、リーダーは同じことを何度も聞かれることになりますし、メンバーも同じことを何度も聞くことに抵抗感を覚えるようになります。
これは私も過去、色んなプロジェクトで見てきましたが
相当やばい状況です。
メンバーがこういう思考になると何が起こるかというと
できる限り、質問しないで済むようにするため
そうなると、見た目同じだが、原因は実は別にあるというようなケースでも、過去事例と同じ対処をとるので、トラブルの二次災害を巻き起こしたりすることになります。
また当然、ノウハウもたまらないので、
リーダーが休んだりすると、誰も何も判断ができなくなってしまい、
機能不全に陥ってしまいます。
これを何とかするために、私は入ったばっかりの特権をフル活用することにしました。
伝家の宝刀
入社して3か月ぐらいは何聞いても、ほとんど怒られない
です(笑)
これを利用して、リーダーはもちろん、知ってそうな人を捕まえて
そもそも論を聞いてみたり、なんぜこんな作業をしているのか?原因は?ゴールはどこ?
などを聞きまくって、それを同じくわからないままやっているであろうメンバーに
フィードバックをしていきました。
その結果、徐々にメンバーも自分たちの作業の意味を知ることになっていったのですが
何よりもよかったのは、私のこういったアクションを見て、メンバーが
を知っていったという事だと思います。
嬉しい事にメンバー(特にプロパー社員)が
仕事をしていく上での立ち振る舞いを学んでくれたようで
という事を実感してくれているようでした。
その後は特にそのメンバーが中心にリーダーの仕事をキャッチアップしようと
能動的に動いてくれるようになり、
私が作業の一つ一つを細かく解析する必要はなくなりました。
「どうしてそんなことをやっているの?」
と聞いて、今までは
「やれと言われたから・・・」
という返事が返ってきていたのが
「こういう理由らしいです。けど個人的にはこうした方がいいように思えるんですが・・・。」
という返事を返してくれるようになりました。
もちろん、その回答は必要十分ではなく
細かく突っ込むと、返事に窮するシーンもあるのですが
そもそも、自分なりの回答をもって仕事に臨めるようになっているだけで十分です。
後は私を含め先人たちのしゃべっている内容を聞いて
「なるほど、ここまで突っ込まれることもあるんだな」
と理解して、より深く学んでいくだけです。
そのトリガーとなる「思考する」というアクションをとれるようになっていれば、大きな一歩を踏み出したといっていいと思います。